クラウドPBX導入を検討する理由として多いのが
- 料金が安いと思う
- どこからでも内線がかけられる
- 導入作業が簡単
ユーザーにとっては魅力的なキャッチフレーズが多くありますが
実は、従来とおり企業内にPBXを設置する構成がまだまだ多いです。 ※2021年現在
その主な理由としては以下のとおり
・クラウドPBX料金が予想より高かった
・音声品質や操作性に不安がある
・利用ている機能がサポートされてない
・放送設備と接続できない
今回は、クラウドPBXのメリットである料金について、初期導入費・ランニング費が
高くなり、デメリットになってしまった具体例を紹介します。
クラウドPBXのデメリットが料金だった具体例
電話設備にかかる料金をさげるため、クラウドPBXを検討したのに
クラウドPBXの見積をみたら従来のPBXを更新する方が安かった
そんな具合的なケースを見積を参考に解説します。
< 見積構成>
- 外線:ひかり電話オフィスA(8チャネル、3番号)
- 内線:IP固定電話機 20台
- FAX:1台
初期導入にかかる費用
クラウドPBXと企業内にPBXを設置する2パターンの見積比較です。
※大手クラウドPBXサービスからの見積を参考にしてます。
クラウドPBX初期導入費の見積内容
項 目 | 数量 | 単 価 | 金 額 |
IP固定電話機 | 20台 | 40,000 | 800,000 |
ひかり電話対応ゲートウェイ | 1式 | 60,000 | 60,000 |
PoEスイッチングハブ(IP電話用) | 1式 | 100,000 | 100,000 |
LAN配線部材 | 1式 | 30,000 | 30,000 |
クラウドPBX工事費 | 1式 | 15,000 | 15,000 |
ゲートウェイ工事費 | 1式 | 28,400 | 28,400 |
IP電話機取付工事費 | 20式 | 9,200 | 184,000 |
LAN工事費 | 1式 | 250,000 | 250,000 |
諸経費 | 1式 | 12,600 | 12,600 |
合 計 | 1,4800,000 |
見積のとおり、IP固定電話機に関わる、機器やLAN工事の割合が多いですね
企業内にPBX設置(オンプレ)する初期導入費
項 目 | 数量 | 単 価 | 金 額 |
PBX(電話交換機) | 1式 | 350,000 | 350,000 |
多機能電話機 | 20台 | 25,000 | 500,000 |
材料費 | 1式 | 30,000 | 30,000 |
PBX設置工事費 | 1式 | 100,000 | 100,000 |
電話機取付工事費 | 20式 | 5,000 | 100,000 |
試験調整費 | 1式 | 20,000 | 20,000 |
諸経費 | 1式 | 30,000 | 30,000 |
合 計 | 1,130,000 |
クラウドPBXと比較して、35万円安い 結果となりました。
電話工事業者によっては、さらに見積料金が下がりますので、複数の工事業者から
見積をとる事をおすすめします。
ランニング(月毎)にかかる費用
クラウドPBXの月額料金の見積です。
※企業内にPBXを設置するパターンは今回は保守契約なしのため、月額料金は無料です。
クラウドPBXの月額料金
項 目 | 数量 | 単 価 | 金 額 |
クラウドPBX 利用料 | 1ヶ月 | 25,000 | 25,000 |
クラウドPBX 保守料 | 1ヶ月 | 7,500 | 7,500 |
GW(FXS)レンタル料 | 1ヶ月 | 1,980 | 1,980 |
合 計 | 34,480 |
※別途、グローバル固定IP1が必要となります。(参考:月額9,80円)
固定電話機を購入する内容の見積となっていますので、レンタルする場合は別途レンタル費用が掛かります。
まとめ
電話設備にかかる料金は、10年間の費用で検討する事をおすすめします。
※次の設備更新までを10年と想定しています。
今回のケースで、10年間で必要となる料金は以下のとおり
クラウドPBXの年間料金が413,760円。
さらに、導入から6年経過あたりで、PoEスイッチングハブ等の更新で20万円程度。
企業内にPBX設置するケースでは、7年目あたりから電話機の故障などで年間5~10万円の経費を見込んでいます。
今回は、クラウドPBX料金が高くなったケースをご紹介しましたが
携帯電話を内線で利用したり、複数拠点のPBXをクラウドで一元化するなどの場合は
クラウドPBXの方が料金が安くなるケースもあります。
低料金でサービス提供している業者や、ご利用中のPBXとクラウドPBXを混在して利用できるサービスもあるので、複数企業からの提案を受けてみましょう
電話設備は導入してからでは後戻りできないので、料金だけの比較ではなく、安定してサービス提供できる業者なのか、操作性に問題がないか、複数企業の中から。十分な時間を使い業者選定をしていきましょう